平成18年度 栃木県少女サッカー
U-12トレセン活動報告(報告日:平成19年1月22日)

〜第13回 少女サッカー4都県選抜関東・東北交流大会〜
平成19年1月21日(日)に、埼玉県少女サッカー連盟が主催する「第13回 少女サッカー4都県選抜関東・東北交流大会」が、埼玉県のリコー東松山研修センターで開催されました。
例によって、朝6時半に集合し、マイクロバスで会場に向かいました。
我が栃木県選抜チームは、東京、神奈川、埼玉という関東でもトップクラスのチームを押しのけて、見事優勝です!
これで、参加2大会連続優勝となりました。




リーグ戦
対、秋田県選抜
対、東京都選抜
決勝戦
対、埼玉県選抜





栃木県選抜チームのN監督に拠れば、この大会は、9月に開催されている「首都圏少女サッカー交流大会」で優勝経験を持つ4都県のチームが招待され開催されているとのことです。
このため、栃木県選抜のほか、東京都選抜、神奈川県選抜(神奈川県女子トレセンU-12)が招待されています。
さらに、昨年に続き、秋田県選抜(秋田LFCジュニアユース)と福島県選抜も招待されていました。
これら5チームに、地元の埼玉県選抜(埼玉県選抜パロミーナ)を加えた6チームによる交流大会です。

大会の方法は、6チームを2つのグループに分け、まず総当たりのリーグ戦を行います。
次に双方のリーグの同じ順位のチームによる順位決定戦を行う方式です。

栃木県選抜は、東京都選抜と秋田県選抜と同じリーグに入りました。
もう一方のリーグは、埼玉、神奈川、福島です。

東京都選抜は、並行して開催されている「関東女子トレセンリーグ」では、圧倒的強さで優勝をほぼ決めています。
栃木県選抜は、11月の茨城会場で東京都選抜と対戦しましたが、0-4と軽くひねられました(^^;
今回の栃木県選抜は、招集するメンバーを17名に絞り込んだそうです。
しかし、東京都選抜との対戦では、ベストメンバーでも、どこまで食い下がれるか…
苦戦は必至です(^^;
秋田県選抜に関しては何の情報もありませんが、リーグ2位抜けが順当な目標(予想)でした。



■リーグ戦(対、秋田県選抜(秋田LFCジュニアユース))■

栃木県選抜の初戦の相手は、秋田県選抜でした。

試合の方は、開始直後から栃木県選抜が圧倒する展開となります。
ホイッスル直後の攻撃で、あっさり先制すると、その後も2点を追加し、3-0で前半を折り返します。

後半に入っても攻撃の手を緩めない栃木県選抜は、さらに3点を追加し6-0で完勝しました。
栃木県選抜のスピードスターは、相変わらずの活躍で3得点を稼いでハットトリック。
まず、上々の滑り出しです。

それにしても、練習の機会もなく、1ヶ月に1回顔を合わせる程度なんですが、それぞれのポジションでピッチに立った瞬間に、連携が生まれてしまうってすばらしい(^^/


☆ リーグ戦 ☆
秋田LFCジュニアユース
00-3
0-3
6
栃木県選抜




■東京都選抜vs秋田県選抜■

栃木県選抜は次の試合まで3試合の間隔がありました。

この間に東京都選抜対秋田県選抜の対戦もあります。
その試合は、東京都選抜が圧勝するものと考えられました。
いずれにしても栃木県選抜は、東京都選抜との決戦に備えるのみです。


さて、1試合目に勝ってリラックスムードの選手たちと違い、帯同する親御さんたちは私も含め、東京都選抜の試合が気になって仕方ありません。
茨城で一度は対戦しています。
しかし、今回どんなメンバーで来ているのか?
ベストメンバーで臨む栃木県選抜のサッカーが通用するのか?
などなど...
交流大会とはいえ、あわよくば「優勝」してほしいのは、どの親御さんもいっしょです。


そして、東京都選抜対秋田県選抜の試合が始まりました。
すると東京都選抜が、みるみるうちに得点を重ねます。
開始1分で先制すると、10分までに4得点。
さらに1点を追加し、5-0で前半を折り返します。
この感じでは、後半も何点取るのか分かりません。

4バックに長身で足がある選手を揃え、前線には動きの良いFW、両サイドのハーフにもスピード感のある選手が配置されています。
一つひとつのプレーにスピードがあり、しかも的確で丁寧です。
やはり、何度見ても強いです。
「関東女子トレセンリーグ」の実績はだてじゃありません。

スペースがあれば、最終ラインからでも絶妙のクロスがゴール前にあがります。
中盤でフリーになれば、ミドルシュートを打ってきます。
ちょっと手がつけられない感じ。
栃木県選抜との対戦を前に、不安はどんどん膨らみます。

しかし、サッカーは分からないものです
東京都選抜は、前半の5得点で安心したのか、後半は、なかなか秋田県選抜のゴールを割ることができません。
意外と言っては失礼ですが、秋田県選抜も奮闘をみせ後半は0-0で終わりました。

結局試合は、東京都選抜が5-0で勝利します。
しかし、栃木県選抜にとっては、望外の展開となりました。
この時点で得失点差で栃木県選抜が一歩リードしたのです。
東京都選抜にしてみれば、栃木県選抜戦は、はなから勝つ計算でしょう。
したがって、あまり得失点差は意識してなかったと思います。
王者の余裕です。
しかし、栃木県選抜側に、ほんの少し希望の光が射したのは確かです。
というのも東京都選抜戦を、引き分けに持ち込めれば、リーグ1位になるからです。


この間に、反対のリーグでは、やはり得失点差の争いとなり、埼玉1位、神奈川2位、福島3位と順位が確定しました。
栃木県選抜は、「関東女子トレセンリーグ」の最終戦で神奈川県選抜との対戦を残しています。
その最終戦で神奈川県選抜に勝つか引き分ければ自力で3位となります。
事前に対戦したいところでもあるし、当たりたくない気持ちもあります。
いずれにしろ、東京都選抜との試合結果次第となりました。


☆ リーグ戦 ☆
秋田LFCジュニアユース
00-5
0-0
5
東京都選抜




■リーグ戦(対、東京都選抜)■

いよいよ、栃木県選抜対東京都選抜の試合が始まります。

試合は、戦前の予想とは完全に裏腹な展開となりました。
栃木県選抜がおしまくります。
東京都選抜もたじたじです。
中盤のスペースで栃木県選抜の選手たちが頑張り、ボールを支配しているため、東京都選抜もなかなか陣地を挽回できません。
中盤の底に配置した普段はDFを務める選手の存在が結構良い感じで効いてます。
この辺は、監督の采配の妙です。

前半5分過ぎには、東京都選抜のゴール前で決定的なパスが通りますが、このシュートは残念ながら大きく外れて先制することはできません。
押している栃木県選抜でしたが、東京都選抜の堅いディフェンスの前にシュートまで持ち込めたのは、これも含めて2〜3度です。

逆に、時おり攻め込まれても、人数をかけて守ることで、決定的な場面を作らせません。
栃木県選抜の選手たちは、それぞれが、献身的なサッカーをしていたと思います。
ほとんど危ない場面もなく、前半を0-0で終了しました。

栃木県選抜に射した微かな光が、少し大きくなるのを感じました。
なにしろ、展開は栃木県選抜優勢。
得点には至らないものの、このまま攻める展開で後半も戦えれば、引き分けも考えられます。

これは想像になりますが、東京都選抜の選手のモチベーションとしては、一度勝っている(4-0)相手だし、油断があったのではないかと思います。
ところが試合の入りで、いきなり強烈な攻めを食ったものですから、落ち着けないままあっという間に前半の15分が過ぎてしまったというところではないしょうか。
15分ハーフの試合の難しさです。
しかしながら、相手は王者東京都選抜です。
ハーフタイムの監督さんからの指示で落ち着いてしまえば、展開が大きく変わることも考えられます。


さて、ハーフタイムが終了し、運命の後半が始まりました。
東京都選抜の選手たちは、どんな指示をもらったのでしょう。
栃木県選抜の選手たちは、攻めの気持ちを持ち続けるしかありません。

後半開始直後は、一進一退の展開となりました。
予想通り、東京都選抜は立て直してきました。
これに対して、栃木県選抜の選手たちも、スピード負けせず、あたり負けせず、冷静に対応しています。

しかし、この展開なら「行ける」と感じ始めた時間に、自陣ゴール前でFKを与えてしまい、これを直接決められてしまいました。

後がなくなって、気合が入った栃木県選抜。
ようやく先制し、ほっとした東京都選抜。
←これは想像です(^^;

堅いディフェンスを誇る東京都選抜に対して、決して許してはいけない先制点です。
しかし、この得点で生まれた、そんな気持ちの違いが、この後の試合の展開に影響を与えたように思います。
1点リードした東京都選抜に守りの気持ちを感じました。
そんな気持ちの隙を見逃すはずもない栃木県選抜は、容赦なく東京都選抜陣内で攻め続けます。

右サイドから展開したり、中央突破を図ったり。
スピードスターが厳しくマークされている為、派手なプレーこそありませんが、全員がつなぐ意識を持ち、プレーしています。
徐々に東京都選抜のゴールに迫る栃木県選抜は、残り5分を切った辺りから決定的な場面を何度か作ります。
しかし、なかなか堅いディフェンスを破ることができません。
栃木県選抜の激しい攻撃が続く中、時計は進み続けます。

そして、第4の審判から、ロスタイム1分が試合会場に示されます。
なおも攻め続ける栃木県選抜でしたが、どうしてもゴールを割ることができません。
いったんボールを下げて、組み立て直しますが、前掛かりの分オフサイドの反則。
逆に自陣ゴール近くまでボールを運ばれ苦しい展開。
私の時計はとうとう16分を指し、いつ笛が吹かれてもおかしくない状況です。
東京のベンチサイドは勝ったと思ったでしょう。
私も負けたと思いました。

しかし、栃木県選抜は、ハーフウェイライン付近でボールを奪うと、これを右サイドの選手につなげます。
文字通り最後の攻撃です。
残り時間が少ないことを感じている東京都選抜のDF陣は、一斉に右サイドに気を取られます。
その隙を縫うように、スピードスターが中央をゴール前に!
あれだけマークがきつかったスピードスターでしたが、最後の最後にフリーでセンタリングを受けることに成功しました。
ゴール前で守るディフェンダーも反応が一瞬遅れます。
スピードスターが、ワントラップして放ったシュートは、決してジャストミートしたわけではありませんでしたが、東京都選抜のゴール右隅に突き刺さりました。
東京都選抜のGKも反応しましたが及びません。

ロスタイムになんと劇的な同点弾が生まれたのです。
私の時計は、16分30秒を指していました。

そして、このあとワンプレーして終了のホイッスルが鳴り響きました。
勝つことはできませんでした。
しかし、負けなかったのです。
しかも、引き分け狙いという消極的なサッカーではなく、王者東京都選抜と互角に攻めあい、先制されながら引き分けに持ち込んだのです。

十中八九手にしていた決勝進出が、東京都選抜の手からこぼれ落ちました。
そして、栃木県選抜の決勝進出が決まりました。



☆ リーグ戦 ☆
栃木県選抜
10-0
1-1
1
東京都選抜



会場:リコー東松山研修センターサッカー場

Aブロック
 
 
NoTeam123WDLPtsGfGaGdRank
1
福島県選抜
 
 
0-4
0-5
0
0
2
0
0
9
-9
3
2
神奈川県女子トレセンU-12
4-0
 
 
0-0
1
1
0
4
4
0
+4
2
3
埼玉県選抜パロミーナ
5-0
0-0
 
 
1
1
0
4
5
0
+5
1


Bブロック
 
 
NoTeam456WDLPtsGfGaGdRank
4
秋田LFCジュニアユース
 
 
0-6
0-5
0
0
2
0
0
11
-11
3
5
栃木県選抜
6-0
 
 
1-1
1
1
0
4
7
1
+6
1
6
東京都選抜
5-0
1-1
 
 
1
1
0
4
6
1
+5
2







■決勝戦(対、埼玉県選抜)■

決勝戦は、埼玉県選抜との対戦になりました。
実は、埼玉県選抜とは、この1週間前の1月13日に「関東女子トレセンリーグ」で対戦しています。
その際は、スピードスターの活躍で4-0と圧勝しています。
しかし、この日のメンバーは、1週間前から少し変わっているようでした。
顔などは覚えてませんし、本当のところは分かりませんが、「あんなに大きなDFはいなかったよなぁ〜」という感じです。
主催者チームですから「優勝」狙いは当然ですし、メンバーを強化してきたのだと思います。


試合は、開始直後から一進一退の攻防となりました。
明らかに1週間前対戦したときとは感触が違います。
もちろん、1週間前にスピードスターにきりきり舞いさせられたので、そこを重点にマークしていることもあります。
スピードスターにボールを集めても、簡単には攻撃につながりません。
しかし、栃木県選抜の最終ラインからスピードスターの相棒に早いパスが通ると、絶妙のタッチでヒールパス。
ハーフウェイライン付近で、このパスを受けたスピードスターはドリブルで持ち上がります。
パスのつなぎが速かった分、カウンター気味の攻撃となり、ディフェンダーの反応が一瞬遅れました。
スピードスターは、埼玉陣内深く切り込むと、右サイドからゴール前に、GKの動きを見透かしたような絶妙なセンタリング!
これを左サイドから走りこんだ選手が押し込んで先制します。
相手の一瞬の隙を突いた攻撃が見事に決まりました。

これで楽になるかと思われましたが、逆に埼玉県選抜の攻撃が激しくなります。
そして、交互に相手陣内に攻め込む展開となります。
お互いにゴール前で相手攻撃を凌ぐ好ゲームです。
しかし、栃木県選抜を応援する身としては胃の痛くなるような試合です。
1点のリードが選手へのプレッシャーにならないかとはらはらしました。

先制点は奪いましたが、DFの裏をつかれGKと1対1の決定的な場面が一度。
そして、クリアボールが小さくなったところを攻め込まれ、決定的な場面になりかけたのが一度。
いずれも、GKが好判断で飛び出し、事なきを得ます。
1-0とリードは保っていますが、若干押され気味のまま前半を折り返します。

人工芝のグランドで強豪との対戦が続き、選手に疲れが見えます。
後半に入っても、埼玉県選抜の攻撃がやや優勢です。
中盤の凌ぎあいを埼玉県選抜が徐々に制するようになり、栃木県選抜は厳しい時間が続きます。
ぎりぎりで失点を防ぐ必死のディフェンスです。

栃木県選抜は、やや疲れが見える、先制点を上げた左ハーフの選手を交代します。
この選手交代が奏功し、栃木県選抜が展開を挽回します。
そして、一進一退の攻防となりますが、残り5分を切った辺りから、今度は攻め続けた埼玉県選抜の選手に疲れが見え始めます。
埼玉県選抜の応援席からも選手たちに激しい檄が飛びます。
栃木県選抜は、右サイド、左サイドから執拗に攻撃を繰り返すものの得点には至りません。

しかし、時計がロスタイムに差し掛かる頃、ゴールキックをカットした攻撃から、ゴール前で混戦になりこぼれたボールを押し込んで決定的な2点目を奪いました。

これで勝負が決まりました。
栃木県選抜の優勝です。


☆ 決勝戦 ☆
埼玉県選抜パロミーナ
00-1
0-1
2
栃木県選抜



☆ 第3・4位決定戦 ☆
神奈川県女子トレセンU-12
00-1
0-1
2
東京都選抜



☆ 第5・6位決定戦 ☆
福島県選抜
00-0
0-0
0
秋田LFCジュニアユース













◆編集後記◆

この大会、今年で13回目を数えますが、栃木県選抜は初優勝だそうです。
パンフレットに拠れば、2度の降雪中止以外は、東京都選抜7回、埼玉県選抜3回と2チームが優勝を分け合ってきましたが、その中に「栃木県選抜」の名を刻み込みました。

思い返せば、昨年9月の「首都圏少女サッカー交流大会」で、チームとしての活動を始めた途端「優勝」という栄冠を手にしました。
そして、それから4ヵ月の間に何回かの遠征を通して選手の顔も技量もある程度覚え、チームをサポートする親の一人としても愛着が湧いてきただけに、今回の優勝は余計にうれしいものがありました。

聞けば、東京都選抜は、DFの要と正GKがいなかったそうですが、後はフルメンバーだそうです。
その2人がいたら、こんな結果は得られなかったのかもしれません。
しかし、一度はやっつけられた東京都選抜と互角以上の戦いができた上での優勝ですから、価値があると思っています。